2025年8月、千葉県市川市民納涼花火大会で打ち上げられた「最も高い山型(形)の仕掛け花火」がギネス世界記録に認定されました。
これを記念して、市川市役所ではギネス認定証と共に花火の写真が展示されていましたが、たった1人の市民による「宣伝になる」というクレームによって、写真が撤去される事態に発展しました。
写真を提供したのは、プロ写真家・白井俊一郎さん(Shun Shirai)。
彼は市からの依頼を受け、無償で花火を撮影・提供していましたが、今回の撤去に対して「納得できない」と異議を唱えています。
なぜ写真が撤去されたのか?
問題が発生したのは、2024年10月8日に市川市役所第1庁舎で開始されたギネス認定証と花火写真の展示です。
写真には、撮影者であるShun Shirai(白井俊一郎)氏の名前が明記されていました。
ところが翌日9日、市民の1人から「プロ写真家の名前入り写真は、宣伝にあたる可能性がある」という抗議が市に寄せられました。
これを受け、市は写真のみを撤去し、ギネス認定証だけの展示に切り替えました。
市側は、「展示の目的はあくまでギネス認定の紹介であり、不快に感じる市民がいた以上、写真の差し替えは妥当と判断した」と説明しています。
引用:読売新聞オンライン
納得できない白井氏の主張
白井俊一郎氏は、今回の騒動に対し強い疑問を呈しています。
「不可解で戸惑うばかり。大変残念です」
引用:読売新聞オンライン
白井氏は市からの依頼を受け、ボランティアとして花火写真を無償提供していました。
営利目的ではなく、市の記録と誇りを残すために協力したにも関わらず、「いわれなき抗議に毅然と対応できない市の姿勢」に懸念を示しています。
「このような対応では、市の芸術展や文化活動全体にも悪影響が及ぶのではないか」
引用:読売新聞オンライン
白井氏の言葉は、アートと公共性のバランスを考える上で、重要な示唆を含んでいます。
ネット上での反応と声
ネット上では、市川市の対応に対する疑問の声が広がっています。
・「たった1人の意見で展示を変えるのはおかしい」
・「名前入りが宣伝になるなら、全てのアート展示がダメになる」
・「無償提供した人に失礼すぎる対応」
中には「表現の自由に関わる問題」として、市の慎重すぎる判断を批判する声も見られます。
また、白井氏を擁護し「名前を明かすのは当然のクレジット表示だ」との意見も多数寄せられています。

まとめ
今回の「ギネス認定花火写真の撤去問題」は、単なる1件のクレーム対応にとどまらず、公共空間での表現、芸術活動、そして行政の判断基準にまで波紋を広げています。
写真を撤去した市の姿勢には、市民の感情に配慮する一方で、「誰のための展示なのか?」という根本的な問いが浮かび上がります。
市民の中にも、「より多くの声を聞いて判断すべきでは?」という意見が少なくありません。
文化や芸術を育むには、「声の大きさではなく、多様な視点の尊重」が欠かせません。
今回の事例は、今後の公共展示や芸術活動において重要な教訓となるでしょう。

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