岡山県笠岡市の人気観光スポットである道の駅「笠岡ベイファーム」が、2025年11月14日から前代未聞の対策「完全ブラックアウト作戦」を始動します。
これは、駐車場の照明を22時以降にすべて消灯するというもので、夜間に繰り返される迷惑行為を抑止する目的で導入されます。
近年、全国各地の道の駅では「走り屋」や「たむろ行為」による騒音被害が問題視されていますが、今回はその中でも非常に強硬な対応となっており、大きな注目を集めています。
問題の背景と経緯
道の駅「笠岡ベイファーム」は、岡山県の最西端・笠岡市に位置し、国道2号「笠岡バイパス」沿いにあります。
四季折々の花畑や瀬戸内海の海の幸、ブランド牛「笠岡牛」など豊富なグルメが魅力の観光スポットとして知られています。
駐車場は126台分に加え、臨時で110台の駐車スペースが確保されており、休憩所も24時間利用可能と、ドライバーにとっても非常に使い勝手の良い施設です。
しかし、こうした利便性の高さが裏目に出たのか、夜間になると若者を中心とした車やバイクのグループが集まり始め、敷地内で大声を上げて談笑したり、車両の空ぶかしをしたりといった迷惑行為が頻発。
地域住民や通行人からの苦情が相次ぎ、市役所や警察、さらにはインターネット上でも問題視されるようになりました。
道の駅側は2023年7月より、照明を一部減光するなどの対策を取ってきましたが、迷惑行為は一向に減少しないのが現状です。
状況の改善が見込めない中で、ついに「全ての照明を消す」という思い切った方針が打ち出されました。
※画像はイメージです。

完全ブラックアウト作戦とは?
今回の「完全ブラックアウト作戦」は、迷惑行為への実効性の高い対策として注目されています。
具体的な内容は下記のとおりです。
・実施開始日:2025年11月14日(金)
・対象施設:道の駅「笠岡ベイファーム」の全ての駐車スペース
・内容:22時以降、駐車場全体(一般、身障者マス、二輪、大型車マス含む)の照明を完全消灯
・補足対応:警告看板の設置、警察や市役所との連携による違法車両の取り締まり
この対策の狙いは、夜間の騒音・迷惑行為の心理的抑止と物理的な排除にあります。
照明が消えることで、集団での駄弁りや車の見せ合いが難しくなり、わざわざ真っ暗な場所に集まりたいという心理的ハードルが上がるのです。
また、警告表示によって利用者への明確な意思表示も行い、監視体制の強化が打ち出されています。
今後の影響と課題
「完全ブラックアウト」は画期的な対策である一方で、当然ながら懸念点も存在します。
まず、夜間にこの道の駅を正当な目的で利用するドライバーにとっては、安全性や利便性が低下する可能性があります。
真っ暗な駐車場は、防犯上のリスクがあるうえ、視認性が下がることで車の出入りも困難になります。
また、問題の根本は「迷惑行為を行う一部の利用者」にあるため、善良な利用者にとっても不便を強いる形となるのは避けられません。
そのため、施設側には「一般利用者の安心と安全をどう確保するか」という視点が強く求められることになります。
さらに、今回の対策によってたむろグループが他の道の駅や公共施設に流れる「風下効果」も懸念されており、笠岡市全体としての対応や、広域的な対策も今後必要になるかもしれません。
ネット上での反応と声
ネット上では、今回の完全消灯のニュースは大きな話題となっており、賛否両論が巻き起こっています。
賛成の声
・「これはナイス判断。こうでもしないと走り屋は止まらない」
・「施設や地域住民の安全を守るために必要な対策だと思う」
・「夜間照明が消えることで犯罪抑止にもつながるのでは」
懸念の声
・「夜間でも安全に利用したい人にとっては不便すぎる」
・「照明がないとトイレに行くのも怖いし、逆に危険では?」
・「もっと別の方法で対処できなかったのか」
このように、利用者の立場や視点によって意見は大きく分かれており、「利便性と治安維持のバランス」が難しい問題であることを物語っています。

まとめ
道の駅「笠岡ベイファーム」の完全ブラックアウト作戦は、全国的にも注目される極めて異例な対応です。
地域の安全と快適な利用環境を守るために導入されたこの措置は、同時に「公共空間の使い方」や「夜間施設のあり方」についても問題提起しています。
これを機に、ドライバーや観光客1人1人が「公共の場でのマナー」を見直し、地域と共存できる利用スタイルを意識することが求められるでしょう。
今後、この取り組みが成功し、他地域の道の駅にも波及するのか注視されます。

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