ファストフード大手 マクドナルドが、紙ストローを終了し、2025年11月19日からコールドドリンク用紙カップのフタを「ストローなしで飲めるフタ(ストローレスリッド)」に順次切り替えると発表しました。
開発に3年以上を要したというこの新フタは、リサイクルPETを100%使用し、バージンプラスチック削減をめざす同社の環境戦略の一環です。
また、同時にバイオマスプラスチック95%使用のレジ袋への全国展開も発表され、2025年末までに容器包装類を再生可能素材へ全面移行するという大きな舵を切りました。
今回の取り組みは、ユーザー体験と環境配慮を両立させた、新たなチャレンジと言えます。
マクドナルドが紙ストロー終了を発表
2025年11月19日から、マクドナルドでは紙カップのコールドドリンク用に、「ストローなしで飲めるフタ(以下:ストローレスリッド)」を全国の店舗で順次導入すると発表されました。
この背景には、バージンプラスチック削減という重大な目標があり、飲料提供時のストローを紙製から無ストロー・リッド方式に切り替えることが、環境負荷軽減のひとつの手段とされています。
マクドナルドでは、紙ストロー提供を22年10月より開始し、2025年末までに「お客様提供用容器包装類を、再生可能な素材/リサイクル素材または認証された素材に変更」する目標を掲げています。
また、公式発表によれば、ストローレスリッドはリサイクルPET100%使用、飲み口の開きやすさ・テイクアウト/デリバリー時の漏れ抑制・炭酸飲料時の噴き出し防止設計といった特徴も備えているとのことです。
このように、紙ストローを“終了”とし新方式へ移行するという発表は、国内大手ファストフードチェーンとして注目される内容と言えます。
引用:オリコンニュース
ストローレスリッドの特徴とメリット
新しく導入される「ストローレスリッド」は、下記のような特徴とメリットがあります。
主な特徴
・素材:リサイクルPETを100%使用している。
・飲み口設計:ストローなしで“ゴクゴク飲める”仕様。
・漏れ防止/噴き出し防止:テイクアウトやデリバリー時の振動や炭酸内圧を考慮したデザイン。
・開発期間:3年以上かけて開発されたことが明らかになっています。
メリット(環境+利用者視点)
・環境面:ストローという“使い捨て製品”を減らすことで、バージンプラスチックの使用量を削減。
・利便性:紙ストローにあった「飲みにくい」「ふやける」「味が変わる」といった不満点を、新しいリッド方式で改善する狙いがあります。実際、紙ストローに対して「味がまずくなった」「フニャフニャになる」といった声も多く上がっていました。
・店舗オペレーション:ストローの包装・廃棄が減ることで、オペレーションの効率化・廃棄コストの削減につながる可能性も指摘されています。
注意すべき点/例外
ただし、全てのドリンク類でストローレスリッドになるわけではなく、子供用の「マックシェイク」「マックフロート」「マックフィズ」「フラッペ」「スムージー」などのストロー付き提供は継続されるとのことです。
これは、飲料タイプ・提供シーンによって最適な飲み方が異なるためと考えられます。
このように、環境配慮とユーザー体験のバランスをとった設計と言えそうです。
引用:オリコンニュース
バイオマスプラスチック製レジ袋の全国展開も
マクドナルドは、ドリンク用フタだけでなく、持ち帰り用のレジ袋にも環境配慮の施策を進めています。
2025年11月19日より、全国の店舗で「バイオマスプラスチック95%使用」のレジ袋へ順次切り替えることを発表しました。
参考として、長崎県では同素材のレジ袋を今年5月から先行導入しており、「50%使用」から「95%使用」へと移行する形です。
本レジ袋は耐久性・使用感ともに従来の「バイオマスプラスチック50%使用」版と変わらないことが確認されており、利用者にとっても大きな不便がないよう配慮されています。
このようなレジ袋の切り替えも、包装材全体でのプラスチック削減を意識した取り組みであり、マクドナルドは、
・「お客様にはご負担なく環境負荷削減のアクションにもご協力いただけますが、更なる環境負荷低減のため、レジ袋不要の際はお申し出ください」
と消費者側の協力も呼びかけています。
2025年末までに容器包装も再生可能素材へ
マクドナルドが掲げる大きな目標の1つが、「2025年末までに、お客様提供用容器包装類を再生可能な素材、リサイクル素材または認証された素材に変更する」ことです。
具体的には、
・2022年10月:紙ストロー・木製カトラリーの提供開始。
・2023年12月:サイドサラダの容器を紙製に変更。
・2024年11月:コールドドリンク用プラスチックカップおよびリッド素材をバイオマスプラスチック・リサイクルPETに変更。
・2025年末:上記目標の達成を目指す
このように段階を踏んで、包装資材全体をサステナブル素材へとシフトしている流れがあります。
例えば、同社はこの取り組みにより年間約6,600トンのバージンプラスチック削減を見込んでいるという情報もあります。
このように、単に「ストローを変える」だけに留まらず、包装類全体を見直す包括的な戦略として読み取れます。
ネット上での反応と声
この取り組みに対して、ネット上では様々な声が寄せられています。
ポジティブな声
・「紙ストローよりはるかにマシ」
・「マック、ストローなしで飲めるフタになるの普通にめちゃくちゃ嬉しい」
・「こういう大手が動くとインパクトがある」
懸念・疑問の声
・「飲んでる途中でふにゃっとした」
・「カップの蓋はプラスチックのままでは意味がない」
・「子供や高齢者にはストローありの方がいいのでは」
・「リッドだけでは完全なプラスチック削減とは言えないのでは」
このように、環境配慮と利用者の体験のバランスが問われており、今後どのように浸透していくかが注目されます。

まとめ
今回、マクドナルドによる「紙ストロー終了」「ストローなしフタ(ストローレスリッド)導入」「バイオマスプラスチック製レジ袋への切り替え」「2025年末に向けた包装材全体のサステナブル化」という一連の流れは、環境配慮を本格的に食のサービス分野で展開する象徴的な動きと言えます。
利用者としても、「レジ袋不要」「簡易包装希望」といった小さな協力をすることで、企業の大きな取り組みに参加できるということを意識しておきたいところです。
その一方で、味・飲み心地・利便性という観点から「使いやすさ」も重要です。
ストローなしでの飲用が全ての人にとって快適かどうか、今後の各店舗の運用・素材改良・利用者の声への対応が鍵となるでしょう。
マクドナルドのこの変革が、ファストフード業界全体、さらには私たちの日常の“飲み方”や“使い捨て文化”における意識変化のきっかけとなる可能性もあります。


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